過酷な現場で確実な映像伝送を実現するプロフェッショナルツール
「IDX CW-F25 ワイヤレスビデオ伝送システム(最大2Km)+ Vマウントバッテリー 2個セット【屋外利用可能】」は、放送局や大規模な映像制作現場において、カメラから離れたベースステーションへ高品質な映像と音声を届けるためのシステムです。有線ケーブルの敷設が物理的に困難な広大な敷地や、機動力が求められる移動撮影において、カメラマンの動きを制限することなく映像を伝送する中核機材として機能します。プロの現場で長年培われた堅牢な設計思想に基づき、いかなる環境下でも「映像を途絶えさせない」というミッションを遂行するために開発されました。
屋外の電波環境変化に追従するDFS機能の意義
日本の電波法において、屋外での5GHz帯ワイヤレス伝送には厳しい制限が設けられています。本機は気象レーダーなどの干渉を検知して自動でチャンネルを切り替えるDFS(Dynamic Frequency Selection)機能を備えており、適法かつ安定した屋外運用を可能にしています。これにより、コンシューマー向けの無線機器が混在する野外フェスや、公共の電波が飛び交う市街地のスポーツ中継などでも、電波干渉による映像途絶のリスクを最小限に抑え、コンプライアンスを遵守した安全な運用を実現します。
長距離伝送を支える独自の通信アルゴリズム
見通し距離で長大な通信範囲をカバーする背景には、H.264圧縮技術と高度なエラー訂正機能の組み合わせがあります。無圧縮伝送とは異なり、伝送経路上でパケットロスが発生した場合でも、受信側で映像の乱れやブロックノイズを補完するよう設計されています。このアルゴリズムにより、障害物による一時的な電波の減衰が生じても粘り強く接続を維持し、安定性が最優先されるライブ配信や生中継の現場で高い信頼性を獲得しています。
業界標準のVマウントバッテリーによる運用効率の向上
プロの映像現場で広く普及しているVマウント規格の電源プレートを本体に標準装備している点は、機材の互換性と運用面で大きな利点です。専用の特殊なバッテリーを別途用意する手間を省き、カメラや照明と電源リソースを共有できます。送信機とカメラの間にバッテリーを挟み込むようにマウントできるため、重心バランスを崩すことなくリグを構築でき、長時間のロケや電源確保が難しい屋外環境でも柔軟かつスマートな電源管理が可能になります。
堅牢性とインターフェースの拡張性がもたらす恩恵
放送用カメラからシネマカメラまで多種多様な機材と接続できるよう、SDIとHDMIの両方の映像入出力端子を備えています。さらに送信機側にはSDIループスルー出力が搭載されており、カメラマン用の外部モニターへ映像を分配する際に別途分配器を用意する必要がありません。また、過酷なロケにも耐えうる堅牢な金属筐体を採用しており、物理的な衝撃や振動に対する耐性も考慮されています。これにより、屋内スタジオから厳しい自然環境まで、あらゆる現場に投入できる汎用性を実現しています。
最大2kmの実用的な伝送距離とH.264エンコードの恩恵
Teradek Bolt 4K LT 750(最大約228m)などの無圧縮・短距離モデルと比較し、本機はH.264圧縮技術を採用することで最大2km(見通し)という長距離伝送を実現しています。約50msの遅延は発生するものの、ゴルフやマラソンなど、カメラと受信機が物理的に大きく離れる広大なロケーションにおいて、映像が途絶えるリスクを劇的に低減します。
DFS機能搭載による完全合法な屋外5GHz帯運用
多くの安価なワイヤレスシステムが屋内専用の5GHz帯を使用する中、本機はDFS機能を搭載し、W56帯を利用した合法的な屋外運用が可能です。DJI Transmissionなども屋外対応ですが、本機は放送業務レベルの堅牢な自動チャンネル回避アルゴリズムを備えており、電波法違反のリスクなく公共の場でのイベント収録を行えます。
SDI/HDMI両対応とスルーアウト機能による現場の拡張性
コンシューマー機(Hollyland Mars 400S Proなど)がHDMI主体であるのに対し、本機は3G-SDIとHDMIの入出力を完備。さらにSDIループスルー出力を備えているため、送信機側でカメラマン用の小型モニターに映像を分配しながら伝送することが可能です。変換器を噛ませる必要がなく、機材トラブルの要因を物理的に減らす設計となっています。
Vマウントバッテリー2個付属で到着後すぐに現場へ投入可能
ワイヤレス伝送機は消費電力が大きく電源確保が課題となりますが、本レンタルセットにはプロ基準のVマウントバッテリーが2個標準で付属しています。本体のプレートに直接装着でき、別途高額なバッテリーや専用充電器をレンタル・手配する追加コストがかかりません。短期間のロケでも届いたその日からフル稼働できる点が最大のメリットです。
Q: 屋外での使用に無線の免許や特別な資格は必要ですか?
A: 免許や資格は不要です。本機はDFS(Dynamic Frequency Selection)機能を搭載しており、日本の電波法において屋外利用が許可されている5GHz帯(W56)を合法的に使用できます。どなたでも安心して屋外イベントやロケでご利用いただけます。
Q: レンタルセットには何が含まれますか?別途必要なケーブルはありますか?
A: 送受信機、アンテナ、ACアダプターに加え、Vマウントバッテリー2個と充電器がセットです。カメラやモニターと接続するためのSDIケーブルまたはHDMIケーブルは付属していないため、ご利用の機材に合わせて別途ご用意いただくか、追加レンタルをお願いします。
Q: 付属のVマウントバッテリー1個でどのくらい連続使用できますか?
A: 送信機の消費電力は約15Wです。付属の標準的なVマウントバッテリーを使用した場合、約5〜6時間の連続駆動が可能です。気温などの環境によって変動するため、長時間のロケでは付属の2個を交互に充電しながらの運用をおすすめします。
Q: Teradek Boltシリーズと比較して、遅延はどの程度ありますか?
A: 無圧縮伝送を採用するTeradek Boltシリーズが遅延1ミリ秒以下であるのに対し、本機はH.264圧縮を行うため約50ミリ秒(約1.5フレーム)の遅延が発生します。シビアなフォーカス送りには不向きですが、長距離伝送の安定性を優先する用途に適しています。
Q: 最大2kmの伝送距離は、障害物がある市街地でも有効ですか?
A: 最大2kmは見通しが良く電波干渉のない理想的な環境での数値です。市街地などビルや樹木といった障害物がある環境では電波が遮断・反射されるため、実際の伝送距離は大幅に短くなります。障害物が多い現場では、アンテナを高い位置に設置してください。
Q: 利用途中で天候が悪化し、ロケが延期になった場合レンタル期間を延長できますか?
A: はい、レンタル期間中の延長手続きはウェブサイトのマイページから可能です。ただし、次の予約が入っている場合は延長をお断りすることがございますので、スケジュール変更の可能性がある場合は、あらかじめ余裕を持った期間でのレンタルをおすすめいたします。
Q: 送信機と受信機のペアリング設定は自分で行う必要がありますか?
A: 出荷時にペアリング設定および動作確認を済ませた状態でお届けしますので、お客様側での複雑なネットワーク設定は不要です。電源を入れ、カメラとモニターを接続するだけで自動的にリンクが確立し、すぐに映像伝送を開始できます。
Q: 屋外利用可能とのことですが、雨天時でもそのまま使えますか?
A: 本機および付属のVマウントバッテリーは防水・防滴仕様ではありません。雨天時や水しぶきがかかる環境で使用する場合は、必ず防水カバーやタープ等で機材を保護し、直接水滴が触れないよう対策を行ってください。
伝送方式: H.264 High Profile
使用周波数帯: 5GHz帯(W52/W56 DFS機能搭載により屋外利用可能)
最大伝送距離: 約2km(見通しが良く電波干渉のない環境)
映像遅延: 約50ms(約1.5フレーム)
映像入力(送信機): 3G-SDI / HD-SDI ×1、HDMI ×1
映像出力(送信機): SDIループスルー出力 ×1
映像出力(受信機): 3G-SDI / HD-SDI ×2、HDMI ×1
対応ビデオフォーマット: 1080p (60/59.94/50/30/29.97/25/24/23.98), 1080i (60/59.94/50), 720p (60/59.94/50)
電源入力: DC 7~17V(Vマウントプレート標準装備)
消費電力: 送信機 約15W / 受信機 約15W
外形寸法(アンテナ・突起部含まず): 送信機 約141.5×109×43mm / 受信機 約141.5×109×43mm
質量: 送信機 約750g / 受信機 約750g
動作温度範囲: 0℃ ~ 40℃
防水・防塵性能: 非対応(屋外使用時は雨天対策が必要)
今回野外で花火中継がありお借りしました。
ちょっと普通とは違う画をということで、花火の発射場の映像もいれようと思いましたが距離が1km弱あるため有線は断念していたところ最大2kmまで飛ぶという本機を試してみました。
テストでお借りする時間がなかった為、当日ぶっつけ本番でしたが無事1km弱の距離も問題なく接続し、発射の迫力ある映像を届けることが出来ました。花火師さんもあまりそういう演出はないので好評でした。
しかし1km以上離れているのに電源を切った状態からリンクするのはもはや神業!?と思ったくらいです。
しかもインカムまでも付いている(セットにヘッドセットも入ってます)のでリンクしたときに映像がちゃんと来ているかなどのやり取りまで出来てしまいます。リターンの映像は今回使用しませんでしたが、もはや何でもありな無線装置です。これが免許無しで使用出来るのはとても助かります。
運用上は遅延がそこそこあるので、複数カメラが有る場合は他のカメラを遅延させる必要があるかと思います。距離によって変動するようなのであまりシビアな遅延を求めるものには向かないかもですね。
あと付属のVマウントバッテリーでどの程度の時間運用出来るか記載があると良かったかもしれません。
念の為こちらから予備のバッテリーも持っていきましたが5〜6時間は余裕で持っていました。たぶん10時間はもちそうです。
今後も何か面白いアイデアを実現させるときにはお借りしたいと思います。