Roland V-160HD STREAMING VIDEO SWITCHER 概要
ハイブリッド・イベントを支える映像演出のニュースタンダード
企業のプレゼンテーションや音楽ライブなどにおいて、スタンダードな手法となりつつあるハイブリッド・イベント。リアル会場へのスクリーン送り出しとライブ配信を同時に実施する演出現場では、映像・音声の接続が非常に複雑になります。
V-160HDはこれからのハイブリッド・イベントに対応するストリーミング・ビデオ・スイッチャーです。 HDMI/SDI 出力でのフルHD映像の出力に加え、USB-Cで配信用PCへも映像を出力することで、この一台から多くの観客、視聴者へ発信することができます。
また8レイヤーまで対応した映像合成機能、40チャンネルのデジタル・オーディオ・ミキサー、複数のメーカーに対応したPTZカメラ制御、多彩な演出をサポートするためのマクロとシーケンサー機能は、作りこまれた演出のために 煩雑になりがちなオペレーションをサポートします。 これらの機能、そして入出力の機材を選ばないインターフェースを一台にまとめ、少人数の演出現場で運用できる操作性を備えています。
Roland V-160HD STREAMING VIDEO SWITCHER 特徴
ハイブリッド・イベントを拡張する汎用性の高いインターフェース
V-160HDは、豊富な映像/音声入出力、多彩な演出機能を一台にまとめ、ハードウェアならではの直感的な操作性、また堅牢性により、ハイブリッド・イベントを安定して遂行するための一台です。リアル会場とライブ配信、そのいずれか、また両方へ、柔軟な対応が求められるプロフェッショナルに必要な一台となるでしょう。
スイッチャー/ミキサーの専用機器として運用における安定性
HDMI、SDI、USB-C、XLR、RCA音声入力など接続機器を幅広くサポート
直感的に操作できる操作パネル
プリセット・メモリー、マクロ、シーケンサー機能による操作のオートメーション化
HDMIx8/SDIx8合計16系統入力対応
V-160HDは、一般的なAV機器で使われるHDMIに加え、業務用ハイエンドカメラ用、また伝送距離が長くとれるSDIの入出力に対応。HDMI8系統、SDI8系統の全16入力を、合計10個のクロスポイントに設定して、豊富な入力をもとに映像演出の幅を拡げます。
また全入力にフレームレート・コンバーター、フレームレート・シンクロナイザーを搭載。フレームレートとカラースペースが一致しない場合でも、INPUT1に1080/59.94i、INPUT2に1080/24pといった異なる映像信号を組み合わせた接続が可能。
それぞれの入力をシームレスに切り替えることができます。また、4つのHDMI入力にスケーラーを内蔵、PCやタブレット、スマートフォン、ゲーム機などの多様な解像度、縦横比を持つ機器との接続にも幅広く対応します。
出力先を選べる柔軟な出力系統
V-160HDは映像・音声の出力を自由に割り当てられる7つの出力系統(HDMI3系統、SDI3系統、USB-C1系統)を備え、出力先に応じた画面設定が可能です。 例えばPROGRAM OUTはライブ配信用に、ステージLEDや会場送り出しにはSUB PROGRAM OUT、演者確認用にはAUXを出力し、運営確認用マルチビューもすべてV-160HD一台で管理することができます。
すぐに呼び出しできるプリセット・メモリー、マクロ
イベントやライブ配信の進行を円滑に進められるよう、画面構成や操作設定をあらかじめ登録したプリセット・メモリーやマクロを本体のボタンですぐに呼び出すことができます。
PinPの子画面の位置やサイズ、タイトル合成のON/OFFなどの画面構成の設定を最大30個までプリセット・メモリーに登録可能。イベントやライブ配信の進行に応じてシームレスに切り替え、呼び出しができます。
新機能のマクロは、映像切り替えやDSKのON/OFF、PTZカメラの動き、オーディオ・ミキシングなど一連の操作を1個のマクロに10個まで構築記録、実行することができ、最大100個のマクロを登録できます。
macOS、Windows、iPad用リモート・コントロール・ソフトウェアを使うと、グラフィカルなインターフェースにより操作性がさらに強化され、実行前の設定およびプレビューを確認することも可能です。
少人数での運用を可能にするオートメーション機能
V-160HDに搭載された新機能のシーケンサー機能は、プリセット・メモリーとマクロを組み合わせ、より操作性を高める機能です。少人数の運用現場においてオペレーターが作りこまれた演出の進行を簡単に実行できるようサポートします。
シーケンサーには最大1000個のステップまで登録でき、各ステップにはプリセット・メモリーとマクロの両方を組み込むことができます。シーケンスを事前に設定し、きっかけに合わせてNEXTボタンを押すことで運用のオートメーション化を実現します。
最大8レイヤーの映像合成と多彩な映像エフェクト
制作現場において観客や視聴者を惹きつける演出を実現するため、映像合成とエフェクト機能は重要な要素です。V-160HDは最大8レイヤーまで対応した映像合成が可能、最大4つのPinP&KEY(ピクチャー・イン・ピクチャー・アンド・キー)、2つのDSK(ダウンストリーム・キー)を使い、PROGRAM OUTとSUB PROGRAM OUTの2つの映像出力を作ることができます。
PROGRAM OUTはライブ配信に、SUB PROGRAM OUTは会場のスクリーンなど出力先に応じた個別の映像を作ることができます。 本体に映像ソースとしてUSBメモリーから静止画を最大16個まで登録可能。アルファ・チャンネル付きPNG画像にも対応し、DSKのソースとして使えばライブ配信中のロゴ出しなどに活用できます。
高品質な配信用出力をサポート
V-160HDのUSB-C出力は*非圧縮の**フルHD 60/30 FPSで接続したPCに出力され、Zoom、Microsoft Teams、YouTube、Facebook Liveなど主要な配信プラットフォームから発信することができます。配信用PCからはWebカメラと同等の機器として認識され、ドライバーは必要ありません。
*UVC(USB Video Class)およびUAC(USB Audio Class)に準拠しています。 **YUV2(非圧縮)及びMotion JPEGフォーマットをサポートしています。
ハイブリッド・イベントを支える音の自由なレイアウト
V-160HDはプロフェッショナル品質の40チャンネルのデジタル・オーディオ・ミキサーを搭載。16系統のビデオ音声、USB-C、2系統のXLRコンボとステレオRCAから接続されたマイク、ラインレベルの機器などの信号をミキシング。
また本体内蔵のBluetooth経由で接続されたスマートフォンやタブレットから音楽やその他の音源をワイヤレスで再生することが可能です。さまざまな音の問題を解決し、聴きやすい環境を構築するための幅広いサウンド・エフェクトを搭載。
ハウリングを防ぐアンチ・フィードバックやエコー・キャンセラー、ノイズゲートなどを使って、洗練された音作りをサポートします。
汎用性の高いPTZカメラ制御機能
リモートで操作可能なPTZ(パンチルトズーム)カメラは、限られたスペースやカメラオペレーターの配置が難しい場所でも複数のカメラの映像が欲しいときに有効です。
V-160HDはLAN経由で接続されたCanon、JVC、Panasonic、Sony、PTZOptics、AvonicおよびVISCA互換の一部のPTZカメラを最大16台まで制御できます。また複数のPTZを接続する場合、異なるメーカーのPTZカメラをが混在させても制御が可能なので、既存の設備に最新のPTZカメラを増設するようなスタジオ構築でも複雑な制御システムを用意する必要がありません。
操作性を高める制御機能
V-160HDはUSBやBluetooth、LAN、RS-232、Tally/GPIO、フット・コントローラーと豊富な制御機能により接続機器との操作性を向上します。
グラフィカルな画面で直感的にタッチ操作可能なiPad用リモート・アプリケーション「V-160HD Remote」*近日公開予定
macOS/Windowsに対応したリモート・コントロール・ソフトウェア 「V-160HD RCS」*年内公開予定
フット・コントローラーを接続し、100種類以上の操作コマンドを足元で実行可能
HDMI経由で接続したAtomos製レコーダーのRECコントロール/RECステータスを管理
スマート・タリーまたは本体背面のタリー端子を使ったタリー制御が可能
RS-232、Tally/GPIO、D-sub端子など従来のシステム構築にも対応
0HD STREAMING VIDEO SWITCHER 仕様
映像
映像処理
4:2:2 (Y/Pb/Pr)、8ビット
入力端子
HDMI 1~4: HDMI タイプA x 4 * HDCP対応 HDMI 5~8: HDMI タイプA x 4 * HDCP対応 * マルチフォーマット対応 SDI 1~8: BNCタイプ x 8 * SMPTE 424M (SMPTE 425M-AB)、292M準拠
出力端子
HDMI 1~3: HDMI タイプA x 3 * HDCP対応 SDI 1~3: BNCタイプ x 3 * SMPTE 424M (SMPTE 425M-AB)、292M準拠 USB STREAM: USB タイプC (TM) PREIVEW: HDMI タイプA
入力映像フォーマット
HDMI 1~4、SDI 1~8 720/59.94p *1、*3 720/50p *1、*4 1080/59.94i、1080/59.94p、1080/60p、1080/29.97p、1080/30p *2、*3 1080/50i、1080/50p、1080/25p *2、*4 1080/23.98p、1080/24p *2 * インターレースで入力された映像は、本体内の処理でプログレッシブに変換されます。 *1 システムフォーマット 720p設定時 *2 システムフォーマット 1080i または 1080p設定時 *3 フレームレート 59.94Hz設定時 *4 フレームレート 50Hz設定時 HDMI 5~8 480/59.94i、480/59.94p、720/59.94p、1080/59.94i、1080/59.94p、1080/60p、1080/29.97p、1080/30p *1 576/50i、576/50p、720/50p、1080/50i、1080/50p、1080/25p *2 1080/23.98p、1080/24p VGA (640×480/60Hz), SVGA (800×600/60Hz), XGA (1024×768/60Hz) WXGA (1280×800/60Hz), SXGA (1280×1024/60Hz) FWXGA (1366×768/60Hz), SXGA+ (1400×1050/60Hz) UXGA (1600×1200/60Hz), WUXGA (1920×1200/60Hz) * リフレッシュ・レートは、各解像度の最大値です。 * CEA-861-E、VESA DMT Version 1.0 Revision 11準拠 * 1920 x 1200/60 Hz: Reduced blanking * インターレースで入力された映像は、本体内の処理でプログレッシブに変換されます。 *1 フレームレート 59.94Hz設定時 *2 フレームレート 50Hz設定時 静止画(Still Image): Bitmap File (.bmp) 最大 1920 x 1080、24ビットカラー、非圧縮 PNG File (.png) 最大 1920 x 1080、24ビットカラー JPG File (.jpg) 最大 1920 x 1080、24ビットカラー * 最大16枚まで内蔵の不揮発メモリーに記憶可能 * USBメモリーに書き出し可能 * PNG アルファチャンネルに対応
出力映像フォーマット
HDMI 1~2, SDI 1~3: 720/59.94p *1、*4 720/60p *1、*5 720/50p *1、*6 1080/59.94i *2、*4 1080/60i *2、*5 1080/50i *2、*6 1080/59.94p *3、*4 1080/60p *3、*5 1080/50p *3、*6 *1 システムフォーマット 720p設定時 *2 システムフォーマット 1080i設定時 *3 システムフォーマット 1080p設定時 *4 フレームレート 59.94Hz設定時 *5 フレームレート 60Hz設定時 *6 フレームレート 50Hz設定時 HDMI 3: 1080/59.94p *1 1080/60p *2 1080/50p *3 *1 フレームレート 59.94Hz設定時 *2 フレームレート 60Hz設定時 *3 フレームレート 50Hz設定時 USB STREAM: 1080/59.94p、720/59.94p、640×480/59.94p ※1 1080/29.97p、720/29.97p、640×480/29.97p ※2 1080/50p、720/50p、640×480/50p ※3 1080/25p、720/25p、640×480/25p ※4 *非圧縮(YUV2)と圧縮(Motion JPEG)に対応 *1 フレームレート(USB OUT) 59.94Hz *2 フレームレート(USB OUT) 29.97Hz *3 フレームレート(USB OUT) 50Hz *4 フレームレート(USB OUT) 25Hz
映像エフェクト
切り替え: カット、ミックス(ディゾルブ/FAM/NAM)、ワイプ(8種類)、スプリット(2種類) 合成: PinP x 4 (四角型、丸型、菱形)、キー x 4 (ルミナンス・キー、クロマ・キー)、 DSK x 2 (ルミナンス・キー、クロマ・キー、アルファ・キー、エクスターナル・キー) その他: 左右反転、上下反転、静止画キャプチャー、静止画再生、アウトプット・フェード(音声、映像:白または黒)、テストパターン出力
音声
音声処理
サンプリング・レート: 24ビット/48kHz
音声フォーマット
USB STREAM (入力/出力): リニアPCM、24ビット/48kHz、2ch Bluetooth (入力): リニアPCM、24ビット/48kHz、2ch HDMI IN: リニアPCM、24ビット/48kHz、2ch HDMI OUT: リニアPCM、24ビット/48kHz、8ch SDI IN: リニアPCM、24ビット/48kHz、2ch (SMPTE 299M準拠) SDI OUT: リニアPCM、24ビット/48kHz、8ch (SMPTE 299M準拠)
入力端子
アナログ: AUDIO IN 1~2: コンボ・タイプ(XLR、TRS標準)、ファンタム電源 (DC 48V、14mA Max) AUDIO IN 3/L、4/R: RCAピン・タイプ デジタル: USB STREAM: USB Type-C (TM) Bluetooth HDMI IN 1~8: HDMI タイプA x 8 SDI IN 1~8: BNCタイプ x 8
出力端子
アナログ: AUDIO OUT: XLRタイプ AUDIO OUT: RCAピン・タイプ PHONES: ステレオ標準タイプ デジタル: USB STREAM: USB Type-C (TM) HDMI OUT 1~3: HDMI タイプA x 3 SDI OUT 1~3: BNCタイプ x 3
規定入力レベル
AUDIO IN 1、2: -60~+4dBu (最大入力レベル: +24dBu) AUDIO IN 3/L、4/R: -10dBu (最大入力レベル: +10dBu)
入力インピーダンス
AUDIO IN 1、2: 9.4kΩ (ANALOG GAIN 0<24dBu)、74.4 kΩ (ANALOG GAIN ≧24dBu) AUDIO IN 3/L,、4/R: 47 kΩ
規定出力レベル
AUDIO OUT (XLR): +4dBu (最大出力レベル: +24dBu) AUDIO OUT (RCA): -10dBu (最大出力レベル: +10dBu) PHONES: 92 mW + 92 mW (32Ω負荷時)
出力インピーダンス
AUDIO OUT (XLR): 600Ω AUDIO OUT (RCA): 1kΩ PHONES: 10Ω
オーディオ・エフェクト
オート・ミキシング、ディレイ、リバーブ、ハイパス・フィルター、エコー・キャンセラー、アンチ・フィードバック、ノイズゲート、ディエッサー、コンプレッサー、イコライザー、ボイス・チェンジャー マルチバンド・コンプレッサー、リミッター、テスト・トーン出力
その他
その他接続端子
USB MEMORY: USB Aタイプ (USBメモリー用) USB STREAM: USB Type-C (TM) (パソコンやiPadを接続してのリモート用) Bluetooth: iPadを接続してのリモート用 CTL/EXP:TRS標準タイプ(フット・スイッチ、エクスプレッション・ペダルを接続してのリモート用) TALLY/GPIO: 25ピンD-subタイプ(メス)(Tally:16、GPI:8) RS-232: 9ピンD-subタイプ(オス) (外部制御用) LAN CONTROL: RJ45 100BASE-TX (外部制御用) Reference IN/THRU: BNCタイプ * ブラック・バースト(フレームに同期)、2値同期、3値同期
その他の機能
プリセット・メモリー (30個) マクロ・コントロール(100個) シーケンサー・コントロール パネル・ロック EDID エミュレーター オート・スイッチング オート・インプット・ディテクト スマート・タリー リモート・カメラ制御 RECコントロール
Bluetooth
標準規格Ver 4.2 対応プロファイル: A2DP (Audio)、GATT (MIDI over Bluetooth Low Energy) 対応コーデック: SBC (SCMS-T方式によるコンテンツ保護に対応)
ディスプレイ
4.3インチ TFTカラーLCD: 480 x 272ドット
電源
ACアダプター
消費電流
2.5A
消費電力
55W
動作温度
0 ~ +40℃ +32 to +104 degrees Fahrenheit
外形寸法
437 (幅) x 253 (奥行) x 103 (高さ) mm 480 (幅) x 253 (奥行) x 103 (高さ) mm * ラック・マウント・アングル装着時
質量
3.9kg (ACアダプター除く)
音響卓が別にある前提ですが、配信用のラインを3ピンで入れることができます。映像と音声をtypeCでPCに送ることが可能なためハイブリッドイベントに最適です。直感的にメインとAUX出力を切り替えることができる点、合成レイヤー数が多いことも評価できる点です。
気になった点は、PCコントロールソフト側で設定ファイルを作成・保存することができないためレンタル前にPCで設定を作りこめない点が残念な点でした。